コンドミニアム・アセットマネジメント(Condominium Asset Management/CoAM)という概念は端的に「区分所有建物(マンション)であるが故に生ずる不安定性」を「なんとかする(マネジメントする)」ことを目的に生まれ(作られ)ました。
通常の不動産以上に実は変数が多いのがマンションであるため、この理論・概念は非常に重要です。
そのため、まずは資産としての「因数分解」が何よりも重要であり、区分所有建物(マンション)を「管理」「建物」「土地」の3要素に明確に分けてその資産性を分析します。その上で、個別具体的な物件(その部屋)毎に資産性を丁寧に分析して賃料相当金額等の要素を加味して資産価値評価を行っていきます。
そして、CoAM式マンション評価方式は、以下の二つの鑑定で構成されます。
◼️CoAM式流通価格鑑定
→その金銭的資産価値に関して、自身が居住するか、他者に貸すかを問わず、「賃料相当金額」にフォーカスして、「購入が得か賃貸が得か」を分析します。
◼️CoAM式管理鑑定
→まずは、金銭的資産価値に関して、売買時点で最もフォーカスされる項目に絞り鑑定評価を行います。その上で居住的資産価値についてはその客観性・一般性のフィルター(主に売買時点で注視されるか否か、価格等の要素に影響をどれだけ与えうるか)にかけた上で評価します。
これを資産価値の「コンドミニアム・アセットマネジメント(CoAM)式」評価方式と呼んでいますが、CoAM式を採用すると、評価を行う際は改良工事が行われているその結果が管理に起因するものだとしてもあくまで「建物」として評価を行います。(あくまで、「建物」が改良された理由・原因として「管理」が働いたという分析になります。)
具体的には、あるマンションの外壁がアンカーピン工法を採用した石調シート工事を行なったようなケースにおいては、「建物」の資産価値を客観的に評価して、どれだけの金銭的資産価値たる賃料上昇・建物価格上昇(下落防止)があったか、そして、居住的資産価値としてどれだけの居住者・所有者が満足し得たかを考えます。
そして、「管理」がどれだけその資産価値上昇に寄与したかを管理運営軸で考える、という整理を行う形になります。そのため、誰かが法的な手続き等を無視して建物の資産価値を上げるような工事等のアクションを行なった場合でも、感情的な部分を除き「建物」の資産価値が上がっているのであれば「建物」部分の資産価値は評価されることとなります。つまり、「管理」運営プロセスが悪くともマンションとしては資産価値が上がりうることとなります。
その一方で「管理」の項目で「管理組合運営上のリスク」として著しく悪い評価となるのは当然であり、マーケットにおいてはその「管理」と「建物」、「土地(街)」の評価を並べて購入・売却・継続保有等の検討を行う事となります。
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