マンション「将来資産価値」サービスの活用法

現在、「AI」を活用したマンションの将来資産価値測定サービスが非常に多く出ています。これをどう活用すべきかについて記載いたします。

■将来価値予測の使い方について■

基本的には、出口戦略を見る上で、売却時にどれだけの「資産性」があるかを図る手段として活用します。ただ、いずれのサービスも不確定要素が多く、10年後、20年後、30年後の将来価格予想というものは、その精度を勘案しても、あくまでご自身のライフプランニングに対する参考資料としてお使いいただくことに合理性があると思われます。(何も指標がないことに比べれば格段に望ましいです)

【前提】

将来価値予測については、過去10年の価格推移を元に分析するケースが多いと思われますが、そうするとトレンドとしては「価格上昇」が基本となってしまいます。(首都圏の好立地物件においては、街の成熟度・住宅ローンの低金利化等に起因して物件の価格が上がっている。)

ただ、いずれのサービスも単純な楽観論で価格推定を行うことはしないため、物件の経年劣化を勘案し、価格が少しずつ下がるよう修正を加わる傾向があります(≒カウル鑑定は経年劣化で下がることを前提に考えています)

つまり、将来価格には、必ず「補正」が入っていることを前提に見ざるをえないというのが実際です。(これ自体はネガティブではないです。)

【「将来価格」の活用方法】

出口戦略を見る上で、売却時にどれだけの「資産性」があるか、あくまで「目安」として、「どう活用すべきか」を考えます。つまり、不確定要素での補正を都度人為的に行なっていかざるを得ないかと存じます。(今回のコロナウィルスによる一連の動きが例になるかと思われます)

「コンドミニアム・アセットマネジメント」という考え方からは、自宅・賃貸用問わず「投資」として「負けないため」にどうするか、が視野に入ってくるため、フェーズ毎に「どう見るか」が変わってきます。

※前提として見るべきポイント

ポイント1 買った方が得か、借りた方が得か

コンドミニアム・アセットマネジメントの観点では、「土地(街)」「建物」「管理」の3要素にマンションを分解した上で取引事例比較法・収益還元法を軸に原価法の考え方も含ませて、「買った方が得か」「借りた方が得か」について、「金銭的資産価値」「居住的資産価値」の両面を考えつつ、収支を軸に考えます。

ポイント2 変数が何か

「土地・建物・管理」それぞれに変数が含まれるため、個別具体的に見て考えて行く必要があります。

ポイント3 支出

「居住的資産価値」のために多くの支出を受忍するのであれば、その支出はその方にとってはネガティブではありません。尚、「居住的資産価値」を加味するとしても、あくまで収支を考えてマネジメントしますので、課題とならざるをえないのがその「イニシャルコストたる諸経費」です。

諸経費を勘案すると、一般的な物件においては「買った方が得だった」といえる状況(損益分岐点を超える状況)が作れるのが、保有後5年目以降になるケースが多いです。(これはもちろん物件によります。)

つまり、入り口で、賃料価格が著しく低い、もしくは購入価格が高い物件をつかまない限り、最初の5年間程度(この期間は物件によります)、物件価格が著しく下がらなければ、あとは健全な「出口」を見ることができます。

■時期を切り口に考える■

将来価格の活用は、「何に注視すべき時期か」を元に、以下の切り口で考えると合理性が高いと考えています。

1.購入時

何よりも「諸経費分が吸収できるか」を軸に考える必要があります。

「物件価格に変化が無いとして、物件売却を行っても損をしなくなる期間(損益分岐点を超える時期・通常は5年程度が目安)」までの将来価格を注視し、アクションを考えます。

「各種将来価値予想数値」については、直近の数年の想定は、比較的直近のトレンドを引いていることもあり信憑性も高いともいえるのですが、コロナショックに見るような、想定外の事項が生じた際に、株価が過剰にブレる(アルゴリズム取引もやはり不確定要素の影響力を増加させている一因?)ことを想定すると、そのまま鵜呑みにするわけにはいかないかと思います。

つまり将来価格予想は意識しつつ、かつ、直近の見えている事象を見据えながら、想定外の事象が発生して仮に物件を売却しても、自身の家計として問題がないか(物件価格の下落を受忍しうるか・リスクテイクを行えるか)を考えて購入します。

※家計として、リスクの許容範囲を前もって決めておき、「固定費を削る等のアクション」の準備はこの段階から行なっておく必要があります。

※あくまで一つの基準に過ぎませんが、賃貸・購入の二つの同等のお部屋を比較して、月次支払総額が、賃貸に比較して購入の方が高いのであれば、それは何かの数値が、「購入するには適していない」のかもしれません。

※この段階で、購入後5年程度(損益分岐点を超えた時点)以降の未来は、変数・不確定要素が多いので、参考程度に考えることが望ましいです。

2.損益分岐点を超えるまでの時期
(購入後最初の5年間程度、物件売却しても損をしなくなる期間内)

あくまで基本的な見方は、1(購入時)と変わらないとは言えます。ただ、既に保有しており、運用(居住)を開始しているため、「金銭的資産価値」「居住的資産価値」の双方のバランスが期待値通りであるか、合理性があるかを、今後来る損益分岐点まで、丁寧に検証・検討する期間です。

将来価格については「金銭的資産価値」と「居住的資産価値」のバランスを元に、幾らの赤字を許容するか、幾らの利益の逸失を許容するか、という観点から、マネジメントを行う上での参考資料となります。

→より先の将来価格については、将来起こりうる要素自体が見えきらず、補正要素がピックアップできないこともあり、原則「いくらまでなら下がっても許容するか」ということを自身で軸として持ち、その価格と将来予想とのバランスを見るのが合理的です。

尚、この時期は物件価格が下落すると「動くに動けない」時期になるので、家計の補正アクションを速やかにとるためにも、比較的短いスパン(ローン金利動向も意識することをも必要なので半年スパンを推奨)の価格推定を見るのですが、価格に影響しうる、より具体的な「事件」には気をつけなければなりません。

何か想定外の価格下落要因があった場合、家計として「乗り切る」ための工夫が必要な時期となるため、購入時から固定費を削っておく、等(代表例:車の処分やインターネットをはじめとする各種定額サービスの見直し・・・等でしょうか)家計の合理化が図れていることは重要です。

(ライフプランニングとしては「1」の時期で既に準備に動いておく必要があります)

3.損益分岐点を超えた後の時期
(売却しても損をしなくなるタイミング)以降

いつでも利益確定を行い「売れる」状況なので、「2」の期間で行った検証を元に、「売却」するのか、「保有し続ける」のかを検討する期間です。また、出口をより強く意識できるため、自身のライフプランとの掛け算をより実際的に見て検討を進め、動く必要があれば直ちに対応します。

将来価格予想については、この「3」のフェーズでは動くか動かないかの参考資料としての要素が強く、この段階で投資として「負けて」いなければ選択肢が非常に広がるのが実際です。

(ただ、もちろんこの後「負ける」可能性もあるので、不確定要素はありながらも、将来価格予想をより意識して、保有がよいのか、売却がよいのかを考えていくことになります。)

※「2」のフェーズ同様、先の将来価格については、将来起こりうる要素自体が見えきらず、補正要素がピックアップできないこともあり、原則「いくらまでなら下がっても許容するか」ということを自身で軸として持ち、その価格と将来予想とのバランスを見る形が原則です。

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