コンドミニアム・アセットマネジメント(CoAM)とは、区分所有建物の資産性を評価・検討する上で用いるマンション資産価値分析・管理における手法です。
マンション(Condominium/区分所有建物)の資産価値を考える上で、その構成要素を「土地」「建物」「管理」の3要素に分解した上で、「流通(売買・賃貸)」と「管理」の両側面から賃料価格・売買価格・管理におけるそれぞれのコストやリスクから具体的検討に落とし込みます。具体的には以下の3つをそれぞれ分けて分析・評価を行う形になります。
「土地」=土地そのものの安全性・近隣のエリアとしての魅力(街力)、立地
「建物」=マンションの建築物としての魅力
「管理」=運営としてのプランニング・実行力
区分所有建物であるマンションの資産価値(金銭的価値・居住的資産価値)に着目し、従来の既存概念であるいわゆる「AM(Asset Management)」「PM(Property Management)」「FM(Facility Management」の概念を内包しつつも、複数人が所有するという「区分所有建物」であるが故の管理に関する課題・リスク評価・資産価値向上性等についても取り入れるものとなります。
◾ 特徴
資産性についてより明確に分析を行なっていくため、「土地(街)」「建物」「管理」を分ける点からスタートし、それぞれ別軸で評価を行う。また、資産性について考える上では、その収支について考えざるをえないのが実際であり、どうしても収益還元法をベースとした賃料価格がその軸になる。
◾ 背景
管理に関する適性評価の定義の必要、マンションストックの増加・人口減少・空き家の増加、区分所有建物の高築年化、AIによる価格査定の一般化・高齢化社会の到来
◾ 「管理」に関するマネジメントの対象
1.区分所有建物共用部分(管理組合運営含む)
2.区分所有建物専有部分(賃貸・売買・自己居住)
◾ マネジメントの具体的内容
(1)区分所有建物の資産価値の適正評価
①物件価格変動(マクロ・ミクロの観点から)
②購入・賃貸比較分析(市場価値の適性な評価)
③物件の管理状況(現在・過去・未来を包括的に見たプランニング)
(2)区分所有建物の資産価値向上施策の分析・研究
①物件改良による資産性向上評価
②各種運営アクション(規約制定や居住者サポート体制等)による資産性向上評価
そして、コンドミニアムアセットマネジメントについての考察を端的にベン図に表すと以下のようになります。
購入・賃貸比較分析・物件価格変動・物件の管理状況はそれぞれ相互に影響し合う事項であり、
これらをバランスよく分析する必要が生じます。
イメージとしては宅地建物取引士・FP・マンション管理士の業務範囲を合わせたものであり、
更に、それぞれのジャンルの知識をバランスよく保持する必要があります。
そこにコンドミニアムアセットマネジメントの難しさ、そして面白さがあります。
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