マンションで「損」をしないこと

コンドミニアム・アセットマネジメントの観点から、一番大事なこと、「矜持(きょうじ」と言っても過言でない事項。それが「マンションで『損』をしないこと」です。

値上がりするマンションを買えたら良いかと言うと、利益を享受し得ない部分のランニングコストが高くて結局は借りた方が良かった・・・と言う可能性もあり、その状況のバリエーションは無限です。

ただ、無限だからよくわからない、と言うのでは全くマネジメントができないので、以下の3つの事項分けることに合理性があります。

1.物件価格変動

エリア内物件の価格変動。(ミクロ・マクロの観点から)

 

2.購入・賃貸比較分析(「買った方が得か、借りた方が得か」)

金銭的資産価値の観点からは、「借りた方が得」なら、投資用として買う意味はありません。

居住的資産価値の観点からは、「自身で保有することのメリット(利便性・心理的事項、他)」が支払金額に見合うかがキーになります。

※「金銭的資産価値」、「居住的資産価値」はこちらを参照ください。

 

3.物件管理状況(過去・現在・未来)

ハード(建築・設備)のみならず、ソフトの観点からも分析が必要となってきます。

この3点からマンションを購入・保有しても損しないかどうかを考えるのが一番重要な事項です。

「1」については、最近よく言われてる3A(赤坂、麻布、青山)が一番良い例かもしれませんが、地名が物件価格に大きな影響を与える例は否定できません。例えば、同じ通り・街並みでも、品川区より港区アドレスの方が物件価格が高い、なんていう街もあります。しかし昨今はより細かいエリアそして、その物件の特性が出るようになっています。

そもそも東京は路地の向こうは違う街です。歴史的なものが持つものも決して軽視できません。「●●区だから価格が下がりません」「近所のあのエリアのマンションが人気だからこのエリアは固いです」そんな、ある意味人の本質を見抜く目を軽んずる安易な考え方は、単純に採用しうるものではありません。

マンションストックが潤沢な昨今では、「1」の事項を考えて、それをどう活用するかは必ず考えなければなりません。時代は大きく変わってきています。

「2」については、「借りた場合いくら支払うこととなるのか」、「買った場合いくら支払こととなるのか」、といったシンプルな事項ではあります。ただ、詳細計算を行う上で処理すべき情報量は膨大になります。この作業を楽しいと思える方は少ないのかもしれませんが、自身のファイナンシャルプランニングと合わせて綿密に計算をしないと家計や事業に対する多大な毀損は避けられません。

「3」については、物件の状況を分析するのですが、管理組合の情報開示が進んでいるか、いないかがまず最初のハードルです。建物の修繕等がきちんとなされているか、管理組合の資産状況が適正に維持されているか、理事会等の組織体系・執行者はどのようになっているか・・・多岐に渡ります。

 

コンドミニアムアセットマネジメントの観点から考えると、「1」の事項はどうしても不確定性が強いものとならざるを得ないので偏って重視することはリスクが大きくならざるを得ません。そうすると、「2」と「3」の事項をより詳細に分析しマネジメントを考えることとなるのですが、「損」をしないこと、さらには「損」が何かまでを考える必要があります。キャッシュが潤沢で、「今」「その物件に」住むことが合理的な方(職場に近い、親族のケアの関係上合理性が高い)にとっては、割高に見えても「損」と言い捨ててしまうのは合理性に欠けます。ペットをどうしても飼いたい方にとっては望む賃貸住宅がない状況では、物件購入も割高になるとしても一理あります。一方、家賃を払うことがもったいないという感覚・状況の方にとっては、賃貸の選択自体がネガティブにならざるを得ないため、条件を譲ったとしても、物件価値逓減が小さい物件の選択が望ましいと言えます。「損」が何か、これはそのクライアントの状況を把握する必要があります。

コンドミニアムアセットマネージャーの矜持として顧客に「損」をさせないこと、そこにつながる一番重要な事項が、顧客の状況把握であり、そこが最初にハードルであり、入り口です。

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